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会長理事 井筒 智義
(青森県庁・県民生協理事長) |
日本の人口は、2005年上期に初めて減少に転じました。青森県の人口も2005年10月1日の国勢調査では、5年前の2000年と比べて39,100人減少しています。人口減少と少子高齢化の進展により、戦後60年間の日本の社会を支えてきた政治や経済の構造が変化し、様々な問題が顕在化しています。これにより、若者から老齢者に至るまで将来不安を引き起こしています。
日生協の生計費調査によると、収入が減った分消費支出も減少し、税金と社会保険料の収入に占める割合は18.6%と2年連続で増加しています。また、厚生労働省の2002年度所得再配分調査によると、世帯ごとの所得格差が1984年から連続して拡大し、高所得者の1/4の世帯が全体の3/4の所得を占める状態に限りなく接近しています。
税金や医療費の負担増加と年金の縮小、資産格差や機会格差の拡大。若年層のパート・アルバイトの収入は同世代正社員の3割程度。BSEや鳥インフルエンザ等の食品に関わる安全性への不安。高齢者等の住宅リフォーム被害や架空・不当請求等の消費者被害の拡大。さらにマンション・ホテルの耐震構造偽装などでくらしの不安が広がっています。
「安全・安心」は、生協のイメージとして組合員はもちろん、一般消費者の間にも定着していますが、その分野は食品中心に限られています。生協自身が組織全体で世の中に通用する価値観・ルールを備えた事業・運営を行っているのか、足元から見直すことが求められています。こうした認識のもとで、収益性と社会性を統合した社会的責任経営確立にむけ、民主的な運営とコンプライアンス経営、組織風土改革、環境マネジメント、男女共同参画などに総合的に取り組みます。より開かれた組織をめざし、組合員はもとより広く社会に対して、方針や考え方をわかりやすく伝えコミュニケーションを深めていきます。
ひとりひとりの組合員の皆様に「私たちの声が受け止められている」「私の声が生かされている」という実感をもってもらえるよう、経営内容を公開し、誰にでもわかりやすい運営をいたします。組合員の皆様の、絶大なるご支援をお願いいたします。
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