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理事 古川 栄一
(弘南生活協同組合専務理事) |
私の家の近くに踏切があるのですが、幅が狭く踏切上ではすれ違うことができないので、両方向から踏切に進入しようとした場合、どちらかが進入しないで待っていなければなりません。お互いに譲り合いの気持ちがあれば、気持ち良くかつ安全に通ることができるのですが、時々、我れ先にという車があって、こちらが先に踏切に差し掛かっても向こうから強引に進入して来る車もあります。当然、踏切では一時停止しなければいけませんから、明らかに違反です。すれ違う際に露骨に「つらつぎ」してもお構いなしです。
両方とも踏切に入ってしまってからではすれ違えない場合もあり、どちらかがバックしたりする光景も見たりします。冬は雪があって踏切の境が見えなくなっているため脱輪する車もあります。そうならないように、踏切に進入する際に対向車がある場合は、相手がどう出てくるかを見極めて慎重に判断するようにしています。
普通であれば先に踏切に差し掛かった方が先に進入するべきだと思うのですが、先ほどのように強引に入ってくる車があったり、あるいはお互いに譲り合って両方ともなかなか進めないでいることもあります。判断が的確でなかったり、躊躇したりするとそういうことになりますので、速い判断力や、先に踏切に差し掛かった場合、こちらが先に入るんだという姿勢を見せることも必要だと思います。もちろん微妙なタイミングの場合パッシングするなどして相手に譲ることも必要です。
先日、あと50メートルくらいで踏切という時に、対向車があり、明らかに向こうが先に進入しそうでしたので、こちらは待つ態勢に入ろうとしましたが、なんと向こうの車がこちらにパッシングしたのです。踏切まではまだだいぶありましたが、せっかくの善意なのに待たせてはいけないと思い、急いで踏切を渡り、相手のドライバーに会釈して、お礼のクラクションを鳴らしました。相手のドライバーもニコッと微笑んで、良いことをしたという満足げな表情でした。直後、どこから出てきたか警官が現れ、車を止められました。一瞬、何のことか理解できませんでしたが、そうです、一時停止をしていなかったのです。
後になって考えれば、まさかあのドライバーは警官がいたのをわかっていて、パッシングしたのでは・・・、あの善意に満ちた微笑みは「してやったり」の嘲笑だったのでは・・・。
くだらない話もたまにはいいと思いましたので、ばか話として読んでいただいて、心の安らぎにしていただくとともに、教訓としていただきたいと思います。
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