社会構造やくらしの変化に正面から向き合い、組合員のニーズの変化に応えよう
青森県生協連会長 井筒 智義
(青森県庁・県民生協理事長) |
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新年あけましておめでとうございます。
日本は2005年から人口減少社会に入っており、2020年までの総人口は今後10年間で、約3.5%(444万人)減少し、1億2.274万人になると予測されています。人口減少の割合は、地域差が大きく、首都圏や東海地方の減少は比較的ゆるやかですが、北海道・東北地方や中国四国地方は、今後の10年間で1割近い減少が予測されています。2010年の国勢調査では、青森県の人口は137万人でしたが、ピーク時1985年の152万人から15万人減少しています。こうした人口減少は、高齢化と労働力人口の減少が同時であり、人口減少の割合以上に購買力に影響が出ます。
民主党に政権が代わりましたが、経済・金融・財政・社会保障・外交・地域社会などの問題がなにひとつ解決されていません。消費者・組合員のくらしは、雇用不安、所得減少、食品の安全や世界的食糧確保への不安、医療・年金制度への不信などが背景となり、危機的状況に陥っております。国と地方を合わせた債務は1000兆円に達しており、社会保障のための税源確保の問題が国民的争点になっています。
記録的な猛暑となった昨年は、各地の農水産物に被害が出ました。特に全国2位のホタテ産地、陸奥湾ではホタテが大量死しました。「9割以上が死んだ」という養殖業者もおり、地元の海産物販売店ではホタテが品薄になり、全国への宅配も中止されました。問題は今年だけでなく、1〜3年後の出荷をめざす稚貝も9割近く死んで、来年も再来年も大変なことになるということです。青森県のホタテ漁獲量は約8万トン、売上額約85億円ですが、昨年8月の出荷量は前年の6953トンから4分の1以下の1539トンへと激減しました。
12月4日、東北新幹線が青森まで来たにもかかわらず、県内景気の上向きを見通す材料は見当たりません。消費者・組合員は、くらしの厳しさから堅実な消費行動と購買先の選択がすすんでいます。利便性・サービス・価格競争はかつてないレベルで激化しています。いま生協の事業運営と組織は、存亡の岐路に立っています。社会構造やくらしの変化に対して真正面に向き合い、組合員のニーズの変化に応えなければなりません。今問われているのは常に「生き残りと革新」と心得、役職員一体となって頑張る所存でございます。
今年もよろしくおねがいいたします。
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