TPP交渉への日本の参加に反対し、東北6県生協連会長が共同声明
東北地域の6県の県生活協同組合連合会は、「TPP交渉への日本の参加に反対する」共同声明(会長連名)を、2011年9月7日付けで発表しました。
<東北6県生協連会長の共同声明>
政府は「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について、交渉の参加・不参加を先送りしたものの「関係国と協議を開始する」ことを昨年11月9日決めました。その後、TPP交渉への参加をめざして準備がすすめられています。
関税撤廃の例外を認めないTPPに加入すれば、農林水産省の試算によれば、国内農林水産業の生産高は4兆5千億円減少し、食料自給率は14%に低下するとも言われています。農林水産業への壊滅的な打撃が想定されます。それだけでなく、投資・サービス・医療・地方自治体・地方経済など広範囲な分野に影響が及ぶことも想定されています。TPP交渉に対して、東北6県の生協連は、反対の意見表明を行います。
東北6県の生協では、組合員の願いをもとに、安全・安心な農林畜水産物を生産者と一緒につくり、農業と地域経済の活性化、食料自給率の向上、地産地消の推進に取り組んできました。多くの県民、組合員が願う安全・安心な食品の確保は、地域の農林水産業の継続なくしては実現できません。TPP参加は、東北の農林水産業、地域経済に大きな影響をもたらすものと想定されます。
ひとつは、食料自給率への影響です。わたしたち消費者は、安全・安心な食料を手に入れるうえで、食料自給率は大事な問題と考え、地産地消をはじめ取組んできました。今回の拙速なTPP参加はこの面で大きな不安をもたらします。
2つめは、農林水産業が地域経済に果たしている役割への影響です。社会・雇用の安定、国土保全機能の維持など多面的な面において、影響がでることが想定されます。農業などの一次産業の崩壊は、さらなる農地や山林の荒廃につながり、これらが持つ環境や国土、生物を保全する多面的な機能も失われ、地球環境へも悪影響を与えます。農林水産業への直接的な影響のみならず、わたしたちの生活の基盤に大きな影響がでると想定されます。
3つめは、東日本大震災からの復旧・復興にとりくむ農林水産業に対する影響です。巨大地震に加え、津波、原子力災害、風評被害等、甚大な被害を被っている農林水産業の再生にとって、大きな障害になることが想定されます。
生協が長年培ってきた組合員の願いに応えて実践してきた「安心しておいしい食品が食べたい」という産直活動も、できなくなります。
東北6県の生協連は、農林水産業や地域経済を破壊しわたしたちの暮らしを困難にする「TPP」への日本の参加に、反対します。
2011年9月7日
青森県生活協同組合連合会 会 長 井筒 智義
秋田県生活協同組合連合会 会長理事 大川 功
岩手県生活協同組合連合会 会長理事 加藤 善正
宮城県生活協同組合連合会 会長理事 齋藤 昭子
山形県生活協同組合連合会 会長理事 岩本 鉄矢
福島県生活協同組合連合会 会 長 熊谷 純一
<問い合わせ先>
青森県生協連 事務局 電話:017−766−1521
秋田県生協連 事務局 電話:018−880−6261
岩手県生協連 事務局 電話:019−684−2225
宮城県生協連 事務局 電話:022−276−5162
山形県生協連 事務局 電話:023−686−6261
福島県生協連 事務局 電話:024−522−5334 |