新年のご挨拶
日本生活協同組合連合会
代表理事会長 浅田 克己
新年あけましておめでとうございます。
青森県生協連ならびに会員生協の役職員の皆様が、組合員のくらしや、その基盤となる地域を支えるため、日々奮闘されておられることに心より敬意を表します。
組合員のくらしは、消費税が5%から8%に増税されたことをはじめ、社会保障費の増加、円安による物価の上昇などにより大変厳しい状況が続いています。また、昨年の9月には安全保障法制が決定され、10月には環太平洋パートナーシップ(TPP)協定が大筋合意されたことなどを受け、組合員から今後のくらしへの不安の声も出されています。私たち生協は、これまでに以上に組合員や地域に寄り添いながら、組合員のくらしの向上に努力していかなればならないと思います。
そうした厳しい情勢の中ではありましたが、全国の会員生協と組合員の皆さんの力で、昨年の6月よりCO・OP商品の刷新をスタートすることができました。この場をお借りし、心より御礼申し上げます。CO・OP商品の特長は、商品の開発・改善のどの局面を切り取っても組合員の参加があり、それが他と違う開発・育成のあり方を創り出していると思います。組合員のくらしが多様化する中、これからも組合員の声を生かしつつ、時代の先を見据えた幅広い商品開発・改善に取り組んでまいりたいと思います。また、前年度から全国で実施いただいた「ラブコープキャンペーン」では、引き続き多くの会員生協と組合員の参加があり、全国的な共同の取り組みとして進みました。私たちはつながり、結合することでさらに大きな力を生み出せることを、あらためて学ばせていただきました。そしてこれからもこの力を大事にしていきたいと思います。
東日本大震災から5年が経とうとしています。全国の皆さんが続けてこられた東日本大震災の復興支援の取り組みは、「忘れない」「続ける」「つながる」を合言葉に、しっかりと継続されてきました。全国の組合員が実際に被災地を訪れ、被災された方々と直接交流することで、人の温かさや力強さを感じることができました。また、被災地で生産された農作物や加工食品を全国の皆さんが取り扱うなど、活動・事業の両面において生協ならではの取り組みも広がりました。皆さんの尊い実践に対して心より敬意を表したいと思います。
全国の生協は、この間、見守り協定の締結や災害協定の締結をはじめ、地域の様々な団体とのネットワークづくりを大きく前進させ、生協への信頼を高めてきました。地方自治体や社会福祉協議会の皆さんなどと結んだ「地域見守り協定」は、全市区町村の45%を超え、さらに包括的な連携へと進化・発展する事例も生まれています。生協を一言で言うならば「助け合いの組織」です。しかし助け合うべき課題は時代の中で変化します。少子高齢化が進む社会では、高齢の方や子育て世代の方を一人ぼっちにさせないこと、社会的孤立化を地域の皆さんと一緒に防いでいくことが大事なテーマになります。全国の皆さんの活動の中に、はっきりとその方向性が見えた一年だったと思います。これからも「助け合いの組織」として、地域社会を支え、地域コミュニティに参加する取り組みを進めていきましょう。
今年度は、2020年ビジョンの到達をめざすために、「全国2020年ビジョン第2期中期方針」の策定に向けて、全国で論議を進めています。2020年ビジョンで描いた、人と人とがつながり、笑顔があふれ、信頼が広がる新しい社会の実現をめざすために、安心してくらせる地域社会づくりへの参加、商品力の強化を通じた組合員のくらしと生協の経営への貢献、生協の未来を担う人材の確保と育成、の3課題を重点として取り組むよう提案させていただいております。全国の積極的な論議への参加によって、2020年ビジョンの到達をめざすための方針となることを、心より期待いたしております。
最後になりますが、この1年が皆様にとって実り多い年になりますようお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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