新年のご挨拶
日本生活協同組合連合会
代表理事会長 浅田 克己
あけましておめでとうございます。
青森県生協連と会員生協の役職員の皆様が、組合員のくらしや地域を支えるため、日々奮闘されておられることに心より敬意を表します。
東日本大震災から6年が経とうとしています。昨年4月には熊本地震、10月には鳥取県中部地震、そして11月には福島にて震度5を超える地震が発生しました。また、夏には北海道、東北地域に台風が上陸するなど、全国各地で自然災害による甚大な被害が発生しました。全国の生協は発災当日から支援を進め、被災地、被災者に寄り添い、力強く、温かい支援を継続して取り組みました。熊本地震における全国の募金額は11億円を超えるなど、被災地の復興に大きく貢献しました。全国の多くの組合員が善意を託す相手先として、生協を選んでいただいていることに改めて感謝申し上げたいと思います。助け合いの組織として信頼いただいていることを胸に刻み、支援の継続と新たな災害への備えに、全国で力を合わせて取り組んでいきましょう。
昨年の英国のEU離脱や米国大統領選挙など世界的にナショナリズムが台頭する傾向は、国際情勢を一層不安定にしつつあります。一方、国連では各国に対して持続可能な開発目標(SDGs)に基づき行動するよう要請しており、持続可能な社会にむけて21世紀にふさわしい国際的な連帯が求められています。日本国内においては、安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」が、新たな任務として国連平和維持活動(PKO)での陸上自衛隊派遣に課されました。憲法改定などの議論が今後行われる可能性があり、憲法の平和主義や立憲主義が問われる状況となっています。「平和とより良き生活こそ理想」とする生協は、今こそ協同組合の力を発揮し、平和で持続可能な社会の実現に向け、力強く参加していきましょう。
くらしに目をむければ、国内における格差・貧困の問題は深刻な状況を迎えています。消費税のさらなる増税は延期されましたが、社会保障など国民の負担は増す一方です。そうした中、安心してくらせる地域社会づくりのために、事業や活動を通じて、組合員のくらしの向上をめざし、困難な諸課題に取り組む事例が広がっています。全国の生協では、介護・福祉の担い手として、自治体や社会福祉協議会などと連携した事業・活動が進められています。また、地域の中での支え合いの活動として、「子ども食堂」やフードバンク・フードドライブなども広がり始めています。社会や環境、人に配慮してモノやサービスを買う消費のあり方(倫理的消費)に対応するCO・OP商品の取り扱いも広がっています。今後一層くらしに寄り添った事業や活動の展開が求められています。全国の生協の連帯、諸団体・地域との連携を通じ、くらしに貢献すべく取り組みをさらに強めていきましょう。
最後になりますが、この1年が皆様にとって実り多い年になりますようお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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